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2026.01.16

第3回 ゴールデン学生サポーター 成果報告 ポポーススィ

ゴールデン学生サポーター成果報告レポート〉

ポポーススィ

 

🎨アクリル絵具「GOLDEN」で変化した制作の柔軟性

 

 1.本制作におけるジレンマとアクリル絵具への認識

 私は、武蔵野美術大学油絵学科に所属し、主にキャンバスを用いた油彩画を制作の中心に据えてきた。油絵具の持つ重厚な質感と、乾燥の遅さゆえに可能となる描画中の試行錯誤のプロセスを重視してきたため、アクリル絵具は「乾燥が早すぎる」「塗膜が薄く安価に見える」という固定観念から、アイディアスケッチや紙へのドローイングといった**「本制作に至るための準備段階の画材」**としてのみ位置づけていた。

 しかし、制作を進める中で、大きなジレンマを抱えるようになった。それは、制作のウォーミングアップとして重視しているドローイングで得られる「勢い」「新鮮さ」「柔軟性」といった持ち味を、油彩の本制作で再現できないという問題である。油絵具は、強い支持体に「絵具の圧力(存在感)」を出すため、乾燥を待ち、絵具を重ねる時間が必要となる。この「待ち」の時間、あるいは描き込みを重ねる過程で、ドローイングで獲得したはずの筆致の勢いが失われ、画面が硬直化していく傾向にあった。

 本レポートでは、この制作上の課題を解決するために導入した画材、「GOLDEN」製品群が、私の絵画制作の概念とプロセスにいかに変化をもたらしたか、その具体的な効果について報告する。

 

 

2.GOLDEN」導入による制作上の変化

 2-1. 描画の「質感」と「堅牢性」に関する問題解決

 私がアクリル絵具を本制作に採用しなかった最大の理由は、「薄さ」、絵具が乾くと塗膜が痩せて見え、油彩のような存在感が出せない点にあった。

直面した課題: スケッチ段階の勢いと新鮮さを保持したまま、支持体に負けない重厚な質感と堅牢性を両立させること。

 

・GOLDENによる解決: GOLDEN製品、ヘビーボディは、極めて高い顔料濃度と優れたアクリル樹脂(メディウム)を使用しているため、水で薄めても発色がよく、乾燥後も塗膜が痩せにくい。ハイフローは、水で溶かさずとも初めから柔らかい絵の具の性質のため、伸びやかな描画表現が可能となる。また、乾燥後の塗膜は強靭で堅牢性が高い。

 ▸この特性により、ドローイングで重要視していた「思いついたらすぐに描けるスピード感」と「鮮やかさ、フレッシュさ」を保ちながらも、薄っぺらくならず、支持体の強さに負けない、しっかりとした「絵具の質感」と「堂々とした存在感」をアクリルで実現できるようになった。これは、アクリル絵具に対する従来の概念を覆す体験であった。

 

『ホールマスク』 

280㎜×270㎜ パネルにアクリル 2025

 

2-2. 制作の「時間軸」のコントロール

 アクリル絵具の速乾性は、前述のドローイングの良さを活かす上では武器となる一方で、油絵具の「乾燥の遅さ」に慣れた私にとっては、「じっくりと混色し、思考しながら描く」というプロセスを妨げることがジレンマでもあった。

・制作の加速(速乾性の活用):

 ▸GOLDENの速乾性は、油絵具での「待ち時間」による描画衝動がなくなることやアイディアが消失することを防ぎ、思考と実験を高い回転率で反復することを可能にした。これにより、制作スピードが格段に向上し、私の絵の持ち味である「勢い」や「新鮮さ」を失わずに本制作を進行できるようになった。

 

・制作の緩徐化(新製品の導入):

 ▸乾燥が早すぎて描けなくなるという課題に対し、GOLDENの「OPENシリーズ」は革命的な解決策となった。この製品は、油絵具のようにパレット上での混色をじっくり楽しめ、キャンバス上でもしばらくは筆で溶かしたり動かしたりすることが可能である。これにより、油絵の具で実践していた「描いては離れて考え、やり直す」という「絵との対話」の時間をアクリルでも確保できるようになった。

 ▸描きたいイメージや制作の目的に応じて、素早い制作には「ヘビーボディ」や「ハイフロー」を、じっくりと向き合いたい時には「OPEN」を使い分けることで、制作の「時間軸」を自由にコントロールできるようになった。

 

『ちくわぶの叫び』 

325㎜×435㎜ パネルにアクリル 2025

 

2-3. 油彩技法との併用と支持体の選択肢の拡大

・下地の拡張: 市販のキャンバスに加え、自作の木製パネルに伝統的な油絵具用下地である「吸収性のある白亜地」を施した下地でも、GOLDENは優れた描画性を示した。この吸収性下地での使用は、紙にドローイングする際の「のびのびとした感覚」を本制作に持ち込めるという新たな可能性を開いた。

 

・油彩との併用(インプリミテューラの応用):

 ▸古典油彩技法の一つである「インプリミテューラ(有色下地)」を応用し、制作初期段階にGOLDENを採用した。具体的には、キャンバス全体をGOLDENのワントーンで明暗と形を素早く描き出し、全体の7割ほどの完成度まで一気に描き進める。

 ▸この強靭で速乾性の高いアクリルの層の上に、乾燥の遅い油彩の透明色(グレーズ)を薄く重ねることで、下層のGOLDENの鮮やかな発色が透けて見え、油絵具単体では得難い「重厚な厚み」と「鮮やかさ・フレッシュさ」が共存する深みのある画面が実現した。

 ▸GOLDENの堅牢性が、油彩との層構造を安全かつ効果的に形成することを可能にしたと言える。

 

『Smash』 

250㎜×450㎜ パネルにアクリル、油彩 2025

 

3.画材の垣根を越えた「表現の自由」の獲得

 本研究レポートで述べたように、「GOLDEN」の導入は、私のアクリル絵具に対する固定観念を払拭し、制作上のジレンマを根本的に解決した。特に重要な変化は以下の3点で、

1.質感と堅牢性: アクリルの「薄さ」という課題を克服し、ドローイングの良さを保持したまま、作品としての存在感と耐久性を獲得した。

2.時間軸の自由: 速乾性と緩乾性の製品を使い分けることで、制作の**「時間軸」**を意図的にコントロールできるようになった。

3.技法の拡張: 油彩の下地・中間層として活用することで、油彩の**「重厚感」アクリルの「鮮やかさ」**を融合させる、新たな表現方法を確立した。

 

◎「GOLDEN」は、もはや「アクリル絵具」という画材の枠組みを超え、油彩との共存を可能にすることで、私が抱えていた「スピード感とクオリティの両立」という課題を見事に解決し、私の絵画制作における表現の自由度を飛躍的に高めてくれた。

 

 

〈制作過程動画〉

 

 

ポポーススィ

ホームページ:https://pop-osushi.com/

Instagram:https://www.instagram.com/pop_osushi/

YouTube:https://www.youtube.com/@great_pop_osushi

 

〈経歴〉

2001 北海道生まれ

2022 武蔵野美術大学 造形学部 油絵専攻 入学

現在  武蔵野美術大学 造形学部 油絵専攻 在学中

 

〈展示歴〉

2021 グループ展『ボボンンモンンチェチェンンツェンン展ン』 札幌地下歩行空間「チ・カ・ホ」

 

2024 グループ展 「grid3」  biscuit gallery 

    solo 都営交通 市ヶ谷駅オリジナルセレクトショップ『とえいろ』アートプロジェクト展示 第1弾
    『 トゥトゥムム鉱山 おやすみセンター 』

          「ARTBAY TOKYO アートフェスティバル2024」 アートプロジェクト実行委員会

 

2025 グループ展 「grid4」  biscuit gallery

              

 

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