• HOME
  • ブログ
  • 第2回ゴールデン学生サポーター 成果報告 浜田 優花

2025.03.12

アーティスト紹介

第2回ゴールデン学生サポーター 成果報告 浜田 優花

『ゴールデン学生サポーター成果報告レポート』

浜田 優花

 

下地を塗ることやアクリル絵の具を作品に取り入れることに対して、ずっと苦手意識があり、あえて避けていた。大学院に進学し、油彩での制作中に発生した、黄変やメディウムを使えないなどといった不便さについて考える中、このまま今までと同じ方法で制作していっていいのだろうかと考えていたタイミングで、ゴールデン学生サポーターのことを知った。今まで使ったことのあるただのアクリル絵の具では、私は使ってみたいと思わなかったと思う。ゴールデンのアクリル絵の具の中で一番乾くのが遅い「OPEN」は油彩と同じ感覚で表現できると知って、興味を持った。

 

実際に「OPEN」を使ってみると、想像以上に油彩と近く、独特の粘度があって驚いた。私が苦手なアクリル絵の具のプラスチックさがほとんど感じられなかった。また、乾くのが遅いので、急かされることなく絵の具同士を混ぜ、画面の上で流動させることが可能だった。油彩ではメディウムを使うことができなかったが、アクリルではたくさんの種類のメディウムがあるのでそれらを使うことで表現の幅も広がった。メディウムでは「ヘビージェルグロス」や「レギュラージェルグロス」が今までの絵の具をのせる感覚に近く、よく使った。絵の具や「ライトモデリングペースト」を少し混ぜると、厚みが出て、絵の具の層を作ることができた。

「tank」    24.2×33.3   キャンバスにアクリル  2023年

 

他のメディウムでは、「クリアグラニュラージェル」と「ガラスビーズジェル」は新鮮だった。キラキラと反射して画面を包み込む様子が美しくて、私は小作品に使用してみたが、他にも絵画だけでなく、立体作品や工芸にも使えそうだ。

「mini shelter」  24.2×33.3  キャンバスにアクリル 2023年

 

メディウム以外の問題では、私は油彩使用時の黄変と自分の作品について、使用している絵の具が限られることで彩度が落ちていく傾向があった。黄変は、アクリル絵の具では起こらないので気にする必要がない。彩度の問題は、「OPEN」がとても鮮やかであることと、色の種類が今まで使用していた油絵具と少し違うことで作品に良い影響をもたらしてくれたと思う。同じ緑でもたくさんの色があるが、使う絵の具を変えたことで、より選択肢が増えた。私は、「OPEN」の単独使用よりも油彩と併用する機会が多かったが、「OPEN」は透明度が高く、色を重ねるうちに彩度が落ちていく中、鮮やかさを保ったまま残ってくれた。これによって植物の生き生きとした様子や、光の輝きをより表現できるようになったと感じている。

「red pocket」162×162  キャンバスにアクリル   油彩 2023年

作品と展示風景(coil展GALLERY b. TOKYO)

 

1年間学生サポーターとして制作していたが、なかなか思うように扱えず、最近になってやっと自分の制作に取り入れることができるようになった。今まで避けていた下地も、この機会で使うようになった。未だに使いこなせてはいないが、少しずつ自分とともにある表現方法へと変化していっているのを感じる。それから、もう一つ私が気に入っているのは、アクリル絵の具は油彩と違い、画溶液を使う必要がないのでアトリエ以外の自室でも臭いなどを気にせず制作できることだ。実家にいるときや賃貸の自室にいるとき、油彩よりも簡単に制作に取りかかることができる。「OPEN」は、これから先の「絵を描く」ということを自分に近づけてくれた画材だ。学生サポーターとして、この絵の具に出会えてよかったと感じている。

 

浜田 優花 Yuka Hamada

instagram

 

2019    上野の森美術館大賞展 入選

2023    女子美術大学 卒業

       神奈川県美術展 かながわ賞

            グループ展「swim to … 」ハーモニーホール座間

            個展「shelter/greenhouse」 RISE GALLERY

            グループ展「coil展 octave」gallery b.tokyo

2024   神奈川県美術展 入選

2025   女子美術大学大学院 (2025年1月現在 在学中)

ブログランキングに参加しました。
以下のバナーをクリックで応援よろしくお願い致します。

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村